建て替えとお引越し

近ごろ多いのが、一般共同住宅公社住宅の建て替えで
お引越しをせざる得ないケース。

時々思い出すのが、「終の棲家」と決めてドッシリと荷物を落ち着かせて
いるお年寄りです。
とはいえ、私もお年寄りの部類かもしれませんが…
これは、置いといてと。。。


今年の春ごろでしたか、とある8所帯が居住する民間アパートの1軒が
お仕事先でした。


というか、もう既に居住者はいなく最後の1軒が残っていた。
この1軒がお客様宅です。


お年は、私の母と同じ年齢。
90歳に手が届きます。


ご主人様は、大分以前に他界されてたった一人でお住まいでした。


『ここが最後の安住の地』と決めておられたようで、
まさか、生きている間に「この建物」が取り壊すことになるとは、
と、時折涙ぐんでおられました。


そして何より印象的だったのは、お荷物の一番大切なもの。
『取り扱い注意』の大小数百個のお人形達が3つの人形ケースに
ならんでいました。


なんでも「幼稚園」の頃から手元にあった大切な品々だとか。
四捨五入すると1世紀ともなる品がたくさんあるのです。

歴史的財産ですね。


かなり古いものばかりなのと、思い出の詰まった品々ということも
あり、お金では買えないものですから、緊張の連続でした。


無事に全てを荷造りし、お人形たちは翌日には元の人形ケースへ
無事戻ることができました。


梱包の当日に終了した時もそうでしたが、無事に全ての人形が
ケースに収まるのをご覧になり、高齢とは思えない元気さで
喜びはしゃいで頂きました。


とってもチャーミングなお祖母しゃまで、いつまでも心に残ります。

新しいお家で、いつまでもお元気でおられることを祈るのみです。